vol.2022
雪害調査は続いています。
年末の大雪で
たくさんの雨樋に
被害が出ていますが
実は樋だけじゃないんです。
屋根も少なからず
ヤラれています。
よくあるのは
瓦屋根の棟が崩れるバージョンですが、
ごく希に工場や倉庫の屋根にも
雪の被害が起きています。
それは屋根の勾配が非常に緩くて
積もった雪が滑り落ちず
ずっと屋根の上にたっぷりと居座って
その重みで屋根が
少々沈んじゃった事例です。
その結果、
傾斜が無くなり
水が逆流して雨漏りが発生!
これも立派な雪害です。
積雪が20センチくらいなら
屋根は沈まなかったんですが
今回の大雪では場所により約50センチ以上も
積もっていましたからね。
てなことで雪の重量って
1㎡に30センチ程度積もると
約100kgにもなります。
てなことで
この工場の屋根には数十トンの
積雪荷重が掛かったことになります。
そしてもともとこの建物は
築年数も相当古くて
今の構造基準ではありません。
なので梁が耐えられなくなり
屋根が沈下しちゃいました。
雪が滅多に積もらない地域でも
この屋根荷重は
とても重要なんですね。
例えば工場なんかの傾斜の緩い
大型屋根の場合、
ゲリラ豪雨を喰らうと
屋根から流れ落ちる雨と
降る雨が同じくらいになり
一時的に屋根には
数十トンの重量が掛かる場合もあります。
なので積雪が滅多にない地域でも
30センチくらいの積雪には
十分耐えられるよう
屋根や建物は構造を設計しております。
ヤバイのは30センチ以上の積雪に
大雨が降った場合です。
その重量は・・・?
短時間ですが一気に
数倍に跳ね上がります。
それではまた。
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小笠原孝彦(おがさわらたかひこ)でした。